一人暮らしを始めてから、もうすぐ3年経つ。
そのことで、ひとつ明確にわかったことがある。
それは「親と同居してるうちは自分の人生を生きられない」ということだ。
親と同居することで起こる弊害
以前から話してる通り、私は現在仕事を辞めて兼ねてよりやりたかったことに挑戦している。
成果としては上々で、客観的に見ても明確な結果を出すことができた。
まず間違いなく、仕事を辞めていなかったらここまでの領域に辿り着くことはできなかっただろう。
HSPの私には、仕事と両立して行うだけの精神エネルギーは持ち合わせていないのだ。
よって、将来自分の人生を振り返った時に、あの時の決断は間違いではなかった、と自信を持って言える確信がある。
ただ、同時にこれは私が一人暮らしをしているからこそできたことだと思っている。
もし親と同居していたら、こんな結末にはなっていなかっただろう。
大半の人にとっては、仕事を辞めるという決断は、親と暮らしていれば引け目を感じて中々できないものだ。
もちろん、私の場合はそれでも自我を通して辞める自信はある。
だが、問題なのは辞めた後だ。
なぜなら、親と同居していれば無意識に「罪悪感」を感じてしまうからだ。
本来ならば、仕事を辞めることは決して悪ではないし、個人の決断というのは尊重されるべきである。
しかし、親の世代にはその理論は通じない。
仕事を辞めることは「犯罪」のような認識をしている層が多いのである。
幸いなことに、今の若者世代の間ではその風潮が大分和らいできている。
だが、終身雇用制が当たり前だった時代を生きてきた人間にとっては、人生とは定年まで会社に尽くして働くことと同義なのである。
その禁忌をおかして、親の目をかいくぐるのは、相当な精神的タフさが要求される。
こんな精神状態では、とても自分のやりたいことに専念することなどできない。
そして、もうひとつ。
私が「親と一緒に暮らしていると自分の人生を生きられない」と感じる理由は、親の思考を無意識に刷り込まれる可能性が高いからだ。
親というのは、自分が送ってきた人生を子供にも味わってもらいたい、という願望を持っている場合が多い。
たとえば、「普通」に正社員として働いて、「普通」に結婚して、「普通」に子供を作って、「普通」に定年まで働いて老後を過ごす、というのがそれにあたるだろう。
あえて「普通」と称してるのは、その「普通」の認識が親の世代(現在の50歳以上の世代)とは全く違うからだ。
これを読んでる人はお気づきだろうが、この「普通」は現代ではもはや普通ではない。
普通というのは大多数の人間が何の苦労もなく自然に手に入れることを指す。
しかし、親の世代の普通というのは、その下の世代からすれば誰もが手に入れられるものではなくなっている。
むしろ、人によっては恵まれている「勝ち組」と称されることである。(あくまで世間一般的にという意味)
この認識のズレこそが、親と同居していることで起こる最も大きな弊害である。
親と同居していると、親の価値観をその子供は無意識に引き継いでしまう。
私自身のことで言えば、親から直接何か言われることはないが、時々顔を合わせる度に感じるのだ。
本音では私にも「普通」の人生を送って欲しい、という思いが。
HSPの私には特にそれを顕著に感じてしまう。
今は一人暮らしをしてるおかげでその感情を味わうのも時々で済んでいるが、もしこれが一緒に住んでいたら、きっと無意識のうちに「普通」を手に入れられない自分はなんでダメな人間なんだろう、と責め続けていたかもしれない。
これは本当に怖いことだ。
本来の自分はそんなことを求めていないにも関わらず、無意識のうちに親の価値観を刷り込まれ、「幸せの幻想」を追い求めさせられることになるのだから。
親と離れて暮らすことで得られること
しかし、親と離れてしまえばそんなことは一切関係ない。
親と物理的に離れることで、親の思考に触れることがなくなるからだ。
そうすることで、ようやく「本当の自分」を取り戻すことができる。
なにより、親という存在がどうでもよくなる。(精神的に気にならなくなるという意味で)
親といえど、所詮は他人である。
本当の自分のことは自分にしかわらかない。
親と離れて暮らせば、何の罪悪感も感じずに、自由に思考して、自分の思うがままに生きることができる。
だからこそ、私は親元を離れて一人で暮らすことをオススメする。
それは自分に自信が持てない人や、原因のわからないモヤモヤを日々抱えて生きてる人ほど効果的だ。
親と離れて暮らせば「一人でも生きていける」という自信が持てる。
それがひいては「自分の幸せ」に繋がるのだ。
まだ一度も一人暮らしをしたことがない人は、最初は恐いと感じるかもしれない。
だが、大丈夫だ。
一人暮らしというのは、思ってるよりもずっとハードルの低いことだから。
もしかしたら、その「一人暮らしは大変」という認識すら、親の価値観が刷り込まれた結果かもしれない。
げんに、私は幾度となく親から「お前に一人暮らしができるわけがない」と言われ続けてきた。
そんな私ですら、こうして一人暮らしをしているのだ。
親の言うことがいかに的外れかがわかるだろう。
どうか恐れずに、親元から抜け出して欲しい。
そうして一人でも多くの人が本当の自分を取り戻すことを願っている。